サンダンス

深い深い森の中
真っ暗闇で
一人だけで

何も持たずに
過ごせたものだけが
踊ることができるという

雨が降り続く中
一人に慣れたと思っていたのに
一人でいるのが、嫌になった。

神と共にあることを
忘れてしまうから
誰といても、寂しくなる

だいぶ、だいぶ前から
正味はひとりなのだ

そう、お薬師様との約束も
忘れてしまっていたから

ようけ、雨が続く
家にも帰れない。

だいぶ、だいぶ前から
日常が、巡礼なのだ

暗闇に堪えて、踊るのか
耐え兼ねて、頭を下げて群れるのか

どちらともつかない
逆打ちの、巡礼者なのだ

いつまで、雨が続くのか
ようけ、空には
為水があると見える

斜め上の、上では
木が切られ、
砂漠がひろがってるというのに

この、星の偏りを
両手で、打ち粉のように
広げることができれば

旅人が乾きで死ぬこともないというのに

実った果実が、
腐れ落ちることもないというのに